鉢植えリンゴ栽培



2014/5/11

アルプス乙女
2014/5/11

ぐんま名月


2014/5/11

こうみつ



2014/5/11

シナノスイート




リンゴは梨と同様に仁果類に分類されます。

リンゴとニホンナシの属間交雑による
結果率は,16.9%〜24.1%と高いものではありませんが
品種によっては相互に受粉する事ができます。
*果樹としては充分な授粉率です

病害虫も多く栽培難易度の高い果樹です。

寒冷地で無くとも栽培・収穫は可能です。
当園の近隣市(栃木県小山市)にもリンゴ園が有り
大玉の立派な「ふじ」が出荷されています。

冷涼な地域が栽培適地という事は確実ですが
アメリカから日本へ導入された直後は
全国に苗木が配布され栽培が行われていました。



2013/09/21 10号鉢のアルプス乙女(8年樹)

今年8年生になるが結実させる事で矮化を維持している
樹高低く仕立てているので台風でも転倒しない




ぐんま名月(40cmスリット鉢)

主要疾病の斑点落葉病に耐性が有り
短果枝の発生が多く・果実も美味しい
趣味の鉢栽培に最適な品種




来歴〜産地形成の歴史を紐解くと
防除体系の確立していなかった当時は
温暖地では病害虫の発生が多く撤退


耐寒性が最強という事もあり
他に栽培出来る果樹も少なかった寒冷地が残り
後に特産地となった歴史があり
その様な地域で無いと育てられない様な誤解が有ります。

主要疾病の防除方法も確立した現在では品種を選べば
必要以上に寒冷地に固執する理由も見当たりません。

リンゴの花は蕾の時には赤く
開花するにしたがい白く変化していきます。
果樹の中でも1・2を争う美しい花を見せてくれます。

樹勢の強い果樹なので
樹勢を抑え込む為に発生した枝を誘引します。

木が大きくなりやすいので
鉢植えでは特に短果枝を作る事の重要な樹種です
2013/09/07 ジョナゴールド・10号鉢

つがる同様に収穫間近の落果が多い





リンゴの結果習性は頂性花芽及びえき生花芽と言う枝先端とその周辺に花芽の付くタイプのため
切り戻し剪定は花芽の着生箇所を剪除してしまう事になり開花しなくなります。

樹勢が強く良く伸びるので木の大きさを調整するための切り詰め剪定は逆効果となります。

短果枝を多く作り結実させる事で生長を抑制し樹冠の広がりを抑える必要がありますが
品種により短果枝を作る為の剪定・管理方法が異なる為、栽培品種毎に調べる必要があります。

2013/11/01 シナノスイート・地植えのクラブアップルへの高接ぎ



果樹農園での樹形は時代と共により良い収穫を目指して変化して行きますが
現在では収穫量に優れた総合半円形・管理し易い開帳形がリンゴの樹形の主流となっています。

雪の多い地方が特産地となっている為、樹形管理の研究資料(特産地の果樹研)は全て立ち木仕立てによるものですが
本来は梨同様に平棚仕立ての方が果実品質も高くなる果樹であるとされています。



サクランボ・リンゴ・梨などの主要果樹は
経済的な効果も大きい為に多くの研究レポートが存在します。
その果樹の特性を知る為には果樹試験場等の調査・研究レポートを参照すると間違いありません。



2013/09/07 青林(10号鉢)



自家結実する品種が少ないので
受粉樹となる他の品種が必要です。

相性の良い複数の品種を揃えると実生りが良くなります。

耐寒性は最強の果樹ですが耐陰性は最弱です。

日照時間による花芽形成への影響の大きい果樹で
晩夏から初秋にかけて
日当たり良く管理する事が重要です。

多くの品種を栽培出来ない場合は
自家結実性の有る品種が推奨されます。



植え付け

休眠期に根を消毒して植え付けます。
主幹は鉢の高さ程度に短く切り詰めます。

リンゴは潜芽が発芽し易く
切り詰めは不安無く好きな長さに切れます。

目標とする樹形にもよりますが
発生した新梢(主枝候補)は誘引し
水平付近まで引き下げます。

倍土はPH6程度の弱酸性を好みます。




2013/09/21 ぐんま名月(40cm鉢)





剪定

地植えと鉢植えで剪定方法が変わる訳ではありません。
果樹は全て結果習性に基づいた剪定を行います。

幼苗の内は間引き剪定が基本です。
樹勢が強く切り詰め剪定をすると樹勢が強まり結実が遅れます。

結実が遅れる事により樹勢が落ち着かず、更に管理が難しくなります。
果樹栽培において最大の矮化効果を齎すのは結実させる事です。

活動中の剪定は枝が暴れる原因となるため剪定は落葉後に行います。
又、花芽形成に秋の日照が大きく影響する樹種の為
落葉後の冬季剪定以外は花芽が確保出来なくなる可能性があるため行いません。

参考書などでは冬季剪定で枝の1/3程度を切り戻し短果枝を出す
と、されているものが多いのですが
他の果樹も含めて、その方法では短果枝を作る事は出来ません

ふじ等の多くの主要品種では剪定しない方が短果枝が多く付くので
リンゴは生り癖が付くまでは切り詰め剪定は行わず、その間は花芽作りに専念し
結実するようになってから剪定を行うようにします。

*品種により先刈(先端のみ剪除)する事で短果枝の発生の多くなるものもあります。
その様な品種別の特性は産地園芸試験場の調査資料で確認します。



施肥

他の多くの果樹と同様に秋肥を効かせる事が重要ですが
花芽を作る為には夏期に新梢の伸びが止まってから窒素を与えます。

一般的に花芽分化期にはその間の栄養生長を鈍化させる為に窒素が少ない方が良い果樹が多いのですが
リンゴと梨は花芽分化に窒素が促進的に作用します。

自然科学においては自然現象を擬人化してはいけない事は常識ですが
「果樹は生命の危機を感じると子孫を残そうとする」と言う人間に都合の良い考え方の通用しない典型です。

秋の元肥に年間施肥量の8割・芽吹き直前に残りの1割の追肥を与え
新梢の伸びが止まった夏にも1割の追肥(窒素)を与えます。
*新梢の伸びが止まらない場合は多肥状態


2013/09/10 色付いてきたアルプス乙女


果皮の着色は果実品質とは全く無関係という事が判明しています。



潅水

過湿・乾燥共に良くありません。
特に鉢植えは地植えと違い潅水直後と乾燥した場合の倍土の乾湿の差が大きくなりますが
この乾湿の波が水分ストレスとなり健全な根の発育を阻害する事は多くの研究で明らかになっています。

梨と共に水切れには弱いので乾燥させ過ぎないように注意します。






病害虫も多く栽培難易度としてはサクランボ同様に難しい部類の果樹と思いますが
花の美しさや果実が実った時の見応えは充分で
難しいからこそ育てる面白みを感じさせてくれる果樹です。

趣味栽培では落果防止剤を使用しなくとも収穫間近の落果・つる割れが少なく
豊産性で主要疾病に耐性がある・もしくは強く、自家結実する品種がお奨めです。

アルプス乙女は難易度の高いリンゴの中では自家受粉もし栽培容易です。
リンゴ栽培入門には最適な品種です。







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