鉢植えブドウ栽培



ブドウやキウイなどの蔦性の果樹は果樹栽培の中でも特に栽培容易で
植え付けから収穫に至る年数も他の果樹より短く(1〜2年)幼木から結実可能です。

鉢栽培でも美味しい果実の収穫が出来るので果樹栽培入門に適しています。






ブドウは比較的容易に栽培できる果樹です。
ベリー類や蜜柑と共に果樹入門に最適です。

ベリー類と同程度に頑強な果樹で
余程の事が無い限り枯らす事はありません。

受粉樹は必要有りません。

鉢植えにする事でベランダでも収獲可能で
仕立て方次第で場所を取らないので
複数の品種を育てても面白いと思います。

早ければ植え付けた翌年には収穫出来るので
果樹入門にお奨めです。

仕立て方は様々ですが
行灯仕立ての場合は行灯を棚だと考えれば
栽培や剪定方法は地植えの棚仕立てに準じます。



植え付け翌年

ブドウは地植えで育てた方がより簡単
キャンベルスアーリー (30cm角鉢)







一般的にブドウ栽培と言うとブドウ棚を思い浮かべ
広いスペースが必要な印象が有りますが
ブドウは蔓性の果樹なので樹形は自在に作れます。

当園では栽培場所の関係で
好みとは言い難い行灯仕立てがメインですが
ラティスフェンスに這わせて平面状に育てたり
ロープを張って沿わせ直線状に育てたりと
色々とアイデアが湧いてきます。

仮に樹形作りに失敗したとしても台切り可能なので
樹形の作り直しも簡単です。

鉢植えで育てても
購入したブドウとは比べものにならない
美味しいブドウが収穫できます。

ブドウに限らず
鉢植えで育てた果樹の方が果実品質が高い事は
様々な果樹で証明されています。

品種により樹勢の強さが違いますがその強壮さは半端なものでは有りません。
勢い良く伸びる新梢だけでなく根張りの凄まじさにも驚かされますが根域制限の無い地植えの方が栽培は簡単です。

樹勢の強さや品種別の特性により剪定や管理方法が違ってきます。

育て易いのは樹勢の弱い品種で始めて育てる場合にはキャンベルスアーリーやマスカットベリーA
スチューベン・デラウェアなどがお奨めです。
*樹勢が弱いと言っても他の果樹と比較すれば強壮です。

巨峰などの4倍体と言われる大粒品種は簡単なブドウ栽培の中でも多少コツが必要で
強い樹勢を押さえ込む管理・・摘心などが必要になります。

巨峰は比較的病気にも強く栽培しやすい品種ですが
大粒品種が栽培したいなら巨峰よりも花ぶるいし難い藤稔は更に容易に栽培可能な品種です。


行灯に仕立てる際のコツ

果樹栽培の開始当初に参考にしていた初心者用の果樹栽培の本には
「1年目に1.5m程度の支柱に直上させて伸ばした蔓を冬に行灯に巻き付ける」となっていましたが
生長の良いものは1年で5m以上伸びるので直上させて育てるのは現実的で無い事と
登熟したブドウの蔓は非常に硬く折れやすいので
その方法では慣れていても思いどおりの形に仕立てるのは困難となります。

1年目の生長中の柔らかい蔓を誘引しながら育てていくことで
コンパクトかつ綺麗に行灯に蔓を巻き付けることが出来ます。

又、市販の行灯では大粒品種を結実させた場合に重さに耐えられず行灯の輪が脱落する場合が有ります。
市販の行灯に巨峰5房を生らしたら重さに耐えられずに壊れました。

現在では菊鉢に支柱を取り付けて直径2〜3cm程度の輪にした結束帯に蔓を通し
更にその輪を結束帯で支柱に固定しています。


因みに当園の全ての品種で1年目に3m育たなかった品種は皆無です。



デラウェア 植え付け翌年(10号鉢)



ブドウに限りませんが趣味で果樹栽培を行う場合
農家の様にジャブジャブと農薬散布出来る場合は別として
その品種が病気に強い事は品種選択の重要ポイントです。

ヨーロッパ種のブドウは
土壌湿度の管理上雨避け栽培が必要とされ
栽培に注意が必要ですが
可搬性の有る鉢植えでは管理も容易になります。

一方、アメリカ種及びその雑種は
全般的に病気に強い丈夫な品種が多く有ります。

摘心などのコツは必要ですが
巨峰などの雑種は病気にも強く栽培容易です。

品種により病気への強弱は有りますが
他の果樹と比べれば葡萄は病気に強く初心者向け



植え付け・倍土

休眠期に根を消毒して植え付けます。
植え付け時には2〜3芽を残して短く切り詰めます。

購入時の長い枝が勿体無いからと
この切り詰めを行わないと新梢の伸び・太り共に劣り
秋には切り詰めたものに追い越され
結実までに時間が掛かるようになります。

芽吹いたら1本だけを主幹として伸ばします。
ここでも欲を出して複数本の新梢を伸ばすと
同様の結果となり結実が遅れます。

又、その後の樹形管理が難しくなるので
主幹・結果母枝が明確に判別できる樹形を作ります。

1年目は3m程度伸びれば充分です。

倍土はPH6.5〜7.5の中性の土を好みます。

酸性〜弱酸性を好む他の殆どの果樹と違い
中性を好み石灰要求量が大きいので
地植えで他の果樹と近くに混植すると
それぞれの土壌管理が困難になります。

*主要果樹で酸性土壌を嫌うのは
ブドウとイチジクだけなので管理に注意。

地植えのブドウ棚の下で
鉢植えのブルーベリーを栽培し
ブドウを枯らした事例があります。


巨峰 植え付け3シーズン目 (30cm角鉢)



剪定前




剪定後





剪定


植え付け1年目は発生する腋芽は摘心し
1本の蔓だけを強くしっかりと伸ばします。

翌年、芽から新梢を伸ばし、
その新梢に開花〜結実をしますが
巨峰などの樹勢の強い品種は摘心が必要となります。

実を生らした結果枝は
厳寒期の2月に剪定をしますが
樹勢の弱い品種は短梢剪定とし
その年の結果母枝にする為に2〜3芽残して
芽と次の芽の中間付近で剪定します。

樹勢の強い品種は5芽ほど残して剪定します。
*地植えの長梢剪定では8芽とされるが
鉢植えの場合は樹勢維持の為
経験上5芽程度にした方が良い。

*以上、基本ですが特性により強樹勢の品種でも
短梢剪定の適するものも有る為
品種特性に従う必要があります。

剪定は厳寒期(1〜2月)に行います


結果枝とは
前年の芽より伸る新梢でこの新梢に開花結実する

結果母枝とは
結果枝の発生する芽を付けた蔓

普通に育てていれば初めての剪定は植付けから2シーズン後の厳寒期に行う事になります。

それまでに基本的剪定方法と栽培している品種の特性を勉強しておきます。


*結果母枝の基部から何芽目に結果枝が出易いかは品種により異なる為、
樹勢の強弱に関わらず品種毎の特性に従い短梢剪定と長梢剪定を決定した方が確実に収穫できます。

*他の果樹同様に品種数が多い為、個別の特性は表記致しません。





施肥

施肥への反応が早く
特に樹勢調整の施肥管理は容易です。

生理落果しない果樹です。
花芽を作る為の特別な施肥管理も不必要と思いますが
追肥は早過ぎると秋伸びの原因となるので
夜温度が15℃以下になってから与えるようにします。


潅水

過湿・乾燥共に強いので水やりには然程気を使いません。

果実肥大期の終わり頃からは
多少乾燥気味にした方が良いようです。

倍土が乾燥した巨峰に
鉢底から流れ出るほど潅水したところ
果粒が裂果した経験があります。



紅伊豆 植え付け3シーズン目(10号鉢)


ヒムロッドシードレス 植え付け翌年



結実中の管理

放置すると新梢は上へ上へと伸びようとしますが
結実してからの誘引は小まめに行い
新梢の伸びを抑える事で
果実の肥大を促進します。

ブドウ栽培の失敗の一番の原因として
果実の生らし過ぎが上げられます。

特に鉢植え栽培では10号鉢の場合
小粒品種で10房程度
中粒品種で5房程度
大粒品種で3房程度に調整します。

又、1つの花穂に沢山の花が付いた場合は
大粒品種でなくても粒数の調整が必要です。

袋掛けをする事で病害虫の防除をします。
特に果粒のアザミウマによる被害は
果皮がケロイド状にコルク化し
果実糖度に悪影響を及ぼします。

植え替え

植え付けてから4年経過したところで
初の植え替えを行いましたが凄まじい根張りで
根鉢を崩すのに苦労しました。

苦土石灰は使用していましたが
土壌の酸性化も進んでいたので
1年置きに植え替えをした方が良さそうです。

10号鉢一杯に張った根・根鉢が固くほぐし難い



芽吹きが遅いので
植え替えは芽吹き前の早春に行います。

植え替えをした巨峰(10号鉢)

支柱3本を等間隔で取り付ける事が前提に作られている菊鉢が
ブドウの行灯仕立には使い易い。





果実の着色は幾つかの要因により決定されますが果実への日照は無関係で果実への日当たりは必要有りません。
高温障害を避けるために果実は葉陰で管理します。

行灯仕立ての場合、葉に上下が生じ日当たりの良くない葉も出来ますが
結実数を制限することで全ての葉への日照を確保できなくても糖度の高い果実の収穫が可能です。

全ての鉢植え果樹で言える事ですが葉は要水分を吸い上げるポンプであり
光合成により作り出した生成物を果実に流転させる(美味しくする)部分なので
異常に日当たりや風通しの確保に気を使うより葉の枚数を多く残し樹勢を落とさず
果実の糖度を上げる管理をした方が良い結果となります。

果樹が不要と判断した葉は色素を他の葉へ渡し(黄化)自分で落葉します。
その辺の生理現象は果樹に任せた方が丈夫に育ちます。(手助けし過ぎない)

ブドウ栽培の注意点はブドウトラカミキリ(害虫)とベト病・こく痘病程度です。
樹勢が強く鉢植えでもガンガン育つので多少の病害虫の被害も大して気になりません。

他の果樹同様に雨避けは土壌湿度の管理を容易にすると共に病気の発生を減少させる効果があります。

雨に当てなければ病気の発生も減りますがブドウ栽培では必須の作業では有りません。
確実に雨避けの必要が有るのは収穫間近のサクランボだけです

雨避けで病害虫の被害が無くなる訳では無いので農薬散布が全く不要になる程の効果は期待できず
雨避けをしたところで管理の手間は殆ど変わりません。

どうしても雨避けしたければ鉢を軒下など雨の当たらない場所へ移動する事で対応します。

因みに当園では軒下へ収納する事無く露地栽培を行っていますが全く不都合は有りません。

他の果樹同様に自然落葉まで葉を綺麗に残す事が重要です。








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