挿し木・接木は園芸作業の中でも特に頭を使う事のない容易な単純作業です。
当園では近年台木用品種や最終的な苗作りの途中過程でのみ挿し木による増殖を行っています。

接木の作業過程で切り取った穂木を続いて挿し木してしまう事で
無駄な作業(剪定した穂木の保存)を省略しています。

2016 サクランボ台木の挿木

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接木で剪定した穂木を6本挿木しました。6


細菌性・ウイルス性の病気は全身に病原菌が回る病気も多いので
感染した母樹からの増殖苗(挿し木・接木・取り木)は製作以前に既に感染樹であり
ガンシュ病や樹脂細菌病等に罹病した母樹からの穂木は使用しないように注意します。





挿し木による増殖


果樹品種により挿し木で増殖する事が可能です。
特に簡単なのはベリー類やプラム・ブドウで
挿せば根付くという位に成功率が高く
本数の挿し過ぎに注意する程に安易です。

但し、「挿し木容易」と「栽培に適する」は別問題で
ブドウのように挿し木の発根は容易でも
そのまま栽培するには問題の有る樹種もあります。

挿し木の作業適期は芽吹き直前です。
最低でも芽が動き出す前には作業完了しておきます。

プラムやブルーベリー等は展葉した枝の
挿し木も可能(緑枝挿し)ですが
管理が面倒なので休眠枝挿しをお奨めします。

*緑枝挿しは当年の生長は殆ど無く
翌春に挿し木しても同じで
越冬の手間だけ無駄。

挿し穂は冬季剪定で切り取って保存しても良いのですが
挿し木直前に切り取った方が気を使わずに楽です。

趣味栽培なので好きな長さで挿せば良いのですが
葉の枚数が多すぎる挿し木は
多くの水分が蒸散するので上手くいかない場合もあり
地上部に2〜3芽有れば充分です。


台木品種の挿木


挿し木の発根(コルト)

挿し穂は休眠枝挿し・緑枝挿し共に固まった枝を使用します。
*成長中の柔らかい枝や登熟していない枝は不適

幼若性の高い枝の方が発根能力が高いので前年の徒長枝や樹齢の若い母樹から採取した
栄養生長の度合いの高い穂木を使用すると成功率が高まります。
樹の先端付近の枝や花芽の付いた生殖生長の度合いの高い枝では発根能力が劣ります。

注)挿し木の培養土は肥料成分を含まない清潔な倍土を使用します。
発根促進剤は品種により逆効果となるものがあります。


接ぎ穂採取用のブドウの挿し木



当園では挿し木苗でも全く問題の無いベリー類以外は
台木品種の増殖か一時的な栽培品種の確保の目的でのみ挿し木を行っています。


鉢揚げした挿し木 サクランボ台木(コルト)

佐藤錦等の栽培品種は発根能力が極端に低く
挿し木しても殆ど発根しない為、
挿し木や取り木はやるだけ無駄。

サクランボを増殖する場合は
挿し木可能な台木品種(青葉桜やコルト等)に接木する。



挿し木の管理



根の無い挿し木だからと毎日潅水するより
表土が乾かない程度に水やりした方が
発根率が良くなります。

日向でも日陰でも発根しますが
日陰で管理していたものは徐々に日光に慣らします。

発根を確認直後の鉢揚げは根を痛めてしまう事もあり
秋に鉢揚げした方が安全ではありますが
早めに鉢揚げし施肥を開始したものは生長が優れます。


極端な管理
日光に当て過ぎ
水のやり過ぎ・・etc
をしなければ成功率は高まります。


発根した挿し木の幼苗は肥料に敏感です。
肥料の与え過ぎは根に障害が発生する場合もあります。



挿し木の成否判定は発根の目視確認が出来れば完全に成功と断定できますが
一度生長の止まった穂木が2次生長を開始したり
気温が上がっても(当園では5月中旬以降)葉の勢いが衰えなければ発根の判断材料とできます。



生長した挿し木(翌年にはサクランボの台木として使用)



皮を向いて食べるタイプのミカンやサクランボなど挿し木の出来ない(殆ど発根しない)と言われている樹種もあります。
発根率は「穂木の状態」「倍土」「環境」「管理方法」「樹種・品種」により異なります。

それが可能な品種の挿し木の発根率は上記条件により大きく左右される為、気にするだけ無駄です。
ものは試しにやってみる程度に考えて遊びの一環として試してみるのも楽しいものです。

挿し木の作業方法が分からない方は居ないと思いますので具体的作業方法は割愛します。




穂木採取

果樹毎の増殖方法




管理の差による挿し木の生長の差をBBで実験

春の休眠挿し木を秋までにどの位大きく育てられるか?
という実験をBBで行いました

管理方法の差で生長に大きな差が付きましたが
ある程度の面倒をみれば
秋には1m程度に育てる事は簡単という結論に至りました

右の写真は誘引して新梢を直上させたものと
放置したものの生長の差です

これは勝負になりません

施肥は鉢揚げと同時に全鉢に同じ量を与え続けましたが
直上させ頂芽優性を働かせたものは
勢いも有り伸び・太りも早くなります。

発根した挿し木への日当たりの量は
特段生長に影響しません。
半日陰で管理すると潅水の手間を省けます

休眠挿し木の秋の様子



結論としては挿し木を短期間で大きく育てたければ
新梢を直上させて鉢揚げ後から肥料を効かせ続け途中で鉢増しすれば良い・・と言う簡単な話でした。



挿し木育成中の施肥量

基本的に玉肥を使用しています。
6号鉢に鉢増しした時に中粒の玉肥を1粒与えています。

BB挿し木苗の場合は気を使う事無くIB化成などの化成肥料で充分です。
10.5cmポットに鉢揚げ時に1粒
4号鉢に鉢増しした時に2粒
6号鉢に鉢増しした時に5粒ずつ与えています。

挿し木の育成中の施肥に付いてはそれ以上の施肥は不要です。


ブルーベリーは栽培が容易過ぎて果樹としての面白さは有りませんが
その分、失敗しても惜しくない・成功して増えても初心者用果樹なので他所に配り易い等
実験材料として何かを試すのに最適の資質が揃っています。








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