鉢植えで栽培できない果樹は有りません。
又、地植えと比較して木が大きくならず収穫も容易になります。

サクランボ・ミカン・ブドウ・柿やイチジクetc
既に鉢栽培での営農による出荷が行われている果樹が数多く有ります。

営農(経済栽培)での鉢栽培のメリットは早期収穫と果実の高品質化にありますが
趣味で行う鉢植え果樹栽培の魅力は、それに加えて広い場所を必要としない事に尽きます。

*地植えと比較して早期収穫も可能ですが
植え付けから収穫までの年数や収穫量は知識と管理能力次第です。


小さなベランダや庭でも問題無く育てられるので、多少のスペースが有れば多種の品種を栽培する事も可能です。

樹幹が小さいので1樹の収穫量は地植えの大木に劣りますが多くの品種を栽培出来るので
樹種・品種の組み合わせにより1年を通して様々な果実の収穫が楽しめます。

又、樹上完熟果と売り物の果実はまるで別物で
売り物では味わう事の出来ない美味しい果実が収穫出来る事も大きな魅力です。



鉢栽培の利点


鉢植えにする事で根域制限云々の情報も有りますが
実際に根域制限栽培を行っている農業の根域制限は
半端なものでは無く
果樹が自立出来ないほどの根と地上部のバランスで
そこまで強烈に掛けて
明らかな効果が出る果樹も有るようです。

たかが鉢に植えた程度で植え付け初期段階から
あまりにもその効果を期待するには
無理があるような気がしてなりませんが
鉢栽培する事で結実が早まる事はあるようです。

実際に育てていて利点として感じるのは
1)鉢が移動出来る
2)品種毎の土壌の管理がし易い
3)施肥管理がし易い

上記の利点は結実を早める要素となります。

以上の3点です。



鉢栽培の欠点


何事も良い事だけで済む筈がありません。
利点が有れば欠点が有るのは当たり前の事です。

利点として挙げた鉢の移動も
逆を返せば鉢が固定されていない・・と言う事です。
強風により鉢の転倒もあります

樹高低く安定した樹形の方が管理しやすいです。

土壌水分の管理がし易い反面
潅水管理のミスをすれば乾燥による枯死や
過湿による根腐れの原因となります。

又、根が高温障害や凍害をうけやすく
対処が必要な場合があります。





近年では地植え用の根域制限に使用する不織布製のポットなども販売されていますが
果樹試験場に於ける数種の果樹での試験データでは数年で生長する根に破壊される商品も多く
趣味栽培に於いて狭小なスペースに多種の樹種を植え付ける場合には

「間隔を取って植え付けても根が広がりだしたら果樹毎の好適な土壌の管理が不能になる」
「根域制限効果を継続したい場合は数年間隔でポットの交換の為の植替えが必要になる」・・等

継続して根域の制限や果樹毎の土壌管理を行いたい場合は鉢植えよりも遥にデメリットが多く
たかが潅水が楽になる程度の事と引き換えにする価値が有るとは思えません。


8号鉢のアルプス乙女



又、果樹園では同じ樹種の果樹が広い範囲で栽培されるので
不織布ポットが破壊され根が広がっても土壌管理に不都合が生じません。
(好適な土壌の異なる多種の果樹を隣接して栽培する趣味との決定的な差)

営農で継続して根域制限栽培を行う場合は耐根シート(屋上緑化に使用される)等の頑強なシートを用い
支柱で果樹が倒れないように対処をした上で根域制限栽培が行われます。


*サクランボに於ける大苗の植え痛み軽減の為の根域制限ポット使用の研究資料では
「植え付けから3年後に掘り起こし根域制限のポットを取り外し、根鉢を崩さず定植すると
早期多収となりその後の生長も優れる。」と、有ります。


要するに根域制限ポットは仮植えに於いて早期収穫と幼苗の生長を促すために使用するものであり
継続して根域制限により矮化を維持する為に使用可能なものではありません。
そもそも、家の基礎でさえ破壊する能力を持った植物の根を安易なシートで長期間止めておくのは不可能です。

生産現場での早期収穫とその後の生長を良くする為に行う根域制限ポットの使用方法に関する考え方と
我々素人が安易に考える根域制限ポットの使用方法とは随分と違う様です。




根域制限の効果

樹種毎の特性により根域制限の重要度は変わってきます。
鉢植えで育てる事の効果が大きく現れるのはサクランボ・りんご・梨などの高難易度の果樹です。
*樹勢が強く放置すると徒長するだけで果実が生り難い。

全ての果樹が根域制限や誘引で樹勢を押さえ込む事が好結果を生む訳では無く
逆効果となる樹種もある為、各樹種毎の特性を知らないと適正な栽培管理が行えません。
例)桃は「勢い良く伸びた新梢に良い花芽が付く」とされる。

樹勢のコントロールの為に根切り等の強烈な手法を用いる必要も無く
元々が根域制限の不要な栽培難易度の中位以下の桃・プラム・ブドウ・蜜柑等は
根域制限による結実への影響は少なく鉢栽培のメリットは限られたものとなります。

*実際の生産現場においては根切りなど殆ど行われていません。



植え付け翌年・結実中のネクタリン(10号鉢)




必要条件

広いスペースは必要有りませんが
日照の良い事が必須条件です。

最低でも生長期間中は午前中日照が良い場所に
鉢を置いておきます。

日照条件が悪いと
木としては育っても結実し難く
果実品質も劣り果樹としては難しくなります。



鉢栽培一番の利点

植物の栽培方法には地植え・鉢植えと
露地栽培・施設栽培が有ります。

因みに「露地植え」と言う言葉は無く
「地植え」の間違いとして使われています。


地植えでの露地栽培 or 施設栽培
鉢植えでの露地栽培 or 施設栽培の
4種類の選択が有りますが
鉢栽培では鉢の移動が可能なので
露地栽培と施設栽培の切り替えが容易です。

樹種毎の特性により
栽培環境を容易に切り替える事が可能なので
生長過程を考慮し
適時、雨避け・風避け・遮光などの為に
露地栽培と施設栽培を切り替える事で
幅広い地域で様々な果樹を栽培する事が出来ます。



鉢植え露地栽培
気温38℃の炎天下で新梢先端が葉焼けしたリンゴ

葉焼けを起こしても枯れる事は無い



耐暑性・耐寒性


果樹に付いての研究では
耐寒性に付いての調査研究は沢山行われていますが
耐暑性に付いての研究論文は皆無です。

理由は簡単で

耐寒温度以下の栽培では枯死しますが
暑い場合には結実や病気の発生状況
生長具合への影響は有っても
果樹が枯死する事は殆ど無いからです。

故に暖地での結実・収穫への影響は研究されても
果樹自体の耐暑性に付いては
研究する必要が無い為に研究対象になりません。

栽培しようと思う樹種の耐寒性については
注意しなければなりませんが
特に移動可能な鉢栽培の場合の耐暑性に付いては
問題にする必要は有りません。

開花・結実への影響の勉強は必要です。

落葉果樹は耐寒性が強く、耐寒性が低いとされているサクランボでも−10℃程度では全く問題ありません。
落葉果樹の耐寒性を考慮する必要のある地域は極限られた地域だけです。



栽培品種

栽培適地で無い果樹に挑戦する面白さも有りますが
栽培適地の果樹を選ぶと
温度管理等適地では不要な管理が増えます。

複数品種を栽培する場合は収穫時期を考慮し
早生・中生・晩生と揃えると
長く楽しむ事が出来ます。

又、耐病性が高く自家結実する豊産性の品種であれば
防除も楽で受粉樹の必要も無く
比較的容易に収穫出来る様になります。

様々な果樹の研究資料で勉強していくと
関東地方では一部の地域を除いて
熱帯果樹以外の果樹の殆どが
鉢植えでの露地栽培が可能と思われます。

その果樹がその土地で栽培可能か否かは
そこで栽培してみなければ分かりません。

導入するのは果実品質が高く
実績のある栽培品種がお奨めです。

種から育てる実生苗は
結実までに多くの年数を要し
どの様な果実が収穫出来るかも分からない為
長い年数を育てても美味しくなければ
無駄骨にしかなりません。

*実生苗から栽培品種と同程度の
果実の生る新品種が誕生する確率は非常に低く
品種の生産現場でも殆どが無駄骨に終わる。







佐藤錦(10号鉢)


その地域で栽培可能か否かは
極端な例を除き(北海道で熱帯果樹の露地栽培等)
他人になど絶対に判断など出来ないので
○○掲示板的なもので素人に質問をするのは
愚の骨頂

「育てたければ育ててみる」
意外と上手くいってしまうものです。

経験談



温暖化の影響


現在、当園(関東内陸部)では寒くて露地栽培の難しい果樹(柑橘類の越冬)はありますが
暑くて栽培出来ない果樹は有りません。

温暖化の対策としてカナダやアメリカ等ではlowchillタイプ(低温要求時間が極端に少ない)の果樹が既に多数開発され
温暖化の影響で特産地が移動する事が無い状態を確保しつつあります。

温暖化による栽培適地の北上予測は現在の品種を栽培する場合のものであり
対応可能な品種の開発も進む中
温暖化が現在と同じ速度で推移した場合に現在の品種を育てていた場合の
数十年後の事を今現在考慮する事は趣味栽培では無意味です。





ハリウッドに芽接ぎしたバイオチェリー(9号鉢)

ハリウッドと同様に生食ではイマイチだが
ジャムに加工したら美味しかった。





果実

果実の品質は地植えの果樹よりも
鉢植えで収穫されたものの方が優れています。
近年、鉢栽培による営利果樹栽培が広まりつつありますが
その為の研究過程で判明した事です。

理由としては根域が地下水の影響を受けず
土壌水分の管理が容易に行える事によります。

1本の果樹から収穫できる総量は地植えよりは劣りますが
趣味栽培では収穫により利益を上げる必要も無く
美味しい果実が少量収穫出来れば良いので
果実品質に優れ
多くの品種を栽培出来る鉢植えは最適です。



経済栽培では果実の見た目が重要なので
果実着色の為に摘葉が行われるリンゴやサクランボなどの樹種がありますが
着色と果実品質は無関係の場合が殆どで
養分を作り出し果実に転流させる役目を持っている葉を多く残したほうが
美味しい果実を収穫する事が出来ます。







倍土管理に於ける利点

農作物を育てる場合
植え付ける倍土によって既に成否が決定されます。

鉢栽培では果樹毎に好適な土壌に調整出来るので
酸性を好むもの・中性を好むもの等を
気にせず並べて栽培出来るのは
地植えでは出来ない事です。

又、地植えと違い根全域の倍土の交換も可能で
根の病気などへの対処も
鉢植えならではの方法が使えます。

牛糞や腐葉土をブレンドする事で徐々に土壌改良され
通気性の良い土になります。

鉢栽培での倍土に共通して求められる事は
保水性・排水性・通気性・保肥性ですが
各果樹毎に好適な土壌が有ります。

趣味栽培に於いては果樹毎の好適な土壌に無頓着で
赤玉土と腐葉土・川砂のブレンドを推奨する例が多いのですが
そのブレンドが好適な果樹は殆ど有りません。

使用する倍土は果樹栽培で一番重要な要素で
好適な土壌を考慮して倍土作りをする必要が有ります。




スリット鉢でのサークリングした根鉢

鉢内の段差で横に根が伸びない筈の
スリット鉢のうたい文句の効果は無い







マルチ下の細根






潅水とマルチング

潅水は、最も回数の多い管理作業となります。

夕方の水遣りは夜間に土壌湿度が高いままで
枝が徒長する原因になるので
水遣りは早朝に行います。

早朝から午前中の間が最も光合成が活発で
新陳代謝や蒸散の多い時間帯なので
早朝の水遣りが一番理に適っています。

果樹は表土付近の細根が土壌の乾湿を判断する
センサーとしての重要な役割を持っています。
その表土付近の細根を増やし
守るためにマルチングを行います。

マルチを行ったものと行わなかったものの差は歴然で
表土付近の根張りに大きな差が出来ます。

マルチングする事で
多少は害虫の侵入や雑草が生えるのを妨ぐ事も出来ます。

マルチを行う事で深根性の樹種であっても表土付近の細根の発生が促進される為
これを理由に残根性の果樹と判断するのは間違いです。

樹種毎に好む土壌乾湿の状態・深根性や残根性の情報は研究者と素人情報の隔たりが多く見られ
地植えの場合は必ず農林水産省やそこからのリンクに有る資料で確認を行う必要が有りますが
鉢植えでは全ての樹種で深鉢が適する為、根域の把握は関係ありません。

盛夏時に葉がクッタリとする程の土壌乾燥は樹体温度が60℃以上に上昇し
花芽形成異常だけで無く樹体の異常が発生する原因となる桃に関する研究レポートがあります。

盛夏に限らず水切れは絶対にさせないような潅水管理を行います。

一番駄目なのは「ついでに潅水する」事で
潅水の必要なものに潅水したついでに潅水が必要の無いものにまで潅水してしまう行為です。

必ずマルチ下の土壌の状態を確認して必要なものにだけ潅水を行います。











8号鉢まではスリット鉢が優れています(安価なので)
それ以上の大きさになるとスリット鉢の優位性も
低下してしまう印象です。

うたい文句の様な効果は無いに等しく
サークリングもするし
菊鉢等と比べ特に根張りが優れる様子も有りません。

又、鉢底中心部には排水の機能が無いので
ベッタリと平面状に根が張り付き
鉢底石を抱え込んでしまうので
植替えの時に苦労する原因となります。

菊鉢などの鉢底全面に排水機能の有る鉢が
根や倍土の管理がし易いと思います。

また、果樹により浅根性や直根性などタイプ様々ですが
浅根性の果樹でも深さ50cm程度には根が張り
10号菊鉢の鉢底までビッシリと根が張る事を考えれば
鉢果樹に浅鉢は必要有りません。

素焼き鉢は壁面からの水分の蒸発量が多く
簡単に水切れを起こします。

乾燥ストレスが結実に影響する為
果樹栽培には適しません。

栽培目的が果実の収穫なので
見た目よりも根の環境を優先した鉢選びをします。





デラウェア(10号鉢)



1年で鉢底全体が根の塊となるスリット鉢

鉢底全面に排水機能の有る鉢ではこうならない


スリット鉢がサークリングを防止する機能は壁面の小さな段差と
鉢底まで伸びた根がスリット部で空気に触れる事により枯れ込む事で成り立っていますが
根は先端部からしか要水分を吸収する事が出来ない為
先端部が枯れる事で根のポテンシャルが下がる事を考慮して管理しないと樹勢が低下します。








袋掛けしたブドウ





植え付けてから収穫までに数年を要す果樹では
本格的な収穫が出来る木になる前に
病害虫の被害で枯死させてしまっては
それまでの苦労が水の泡となってしまいます。

実際に栽培して痛感するのは
無農薬での果樹栽培では
病害虫の巣窟となる事は必至であると言う事です。

無農薬での栽培難易度の高さから
最低限の農薬を使用する事は仕方の無い事ですが
要は口にする果実に農薬が残留しなければ良いので
果実に袋掛けする事で病害虫からの保護以外に
農薬散布からも果実を守ってくれます。

通常は袋掛けしない果樹品種でも袋掛けする事で
綺麗な果実の状態を保つ事が出来ます。

いくら無農薬でも
明らかに病気の発症している果実を口にするのも
気持ちの良いものではありません。







病害虫

果樹栽培を行う上で一番重要なのは
病害虫の防除以外の何者でもありません。

理想としては無農薬で収穫する事ですが
ベリー類などの栽培容易な極一部の果樹を除き
無農薬で収穫するのは非常に高い難易度となります。

多少の虫食いなどは許容範囲としても
果実の罹る病気の場合は収穫前に腐ってしまったり
落果してしまう事もあります。

更に怖い病気や害虫被害の場合は
何年も育ててきた果樹が枯死する可能性も有ります。

最悪の害虫はプラムポックスウイルス等の
ウイルスや病原となる細菌を媒介する
アブラムシ等の吸汁性の害虫です。


病気にさせない事は
果樹栽培に於いて一番注意しなければならない事です。




果実肥大で袋が破けた場合は
一回り大きな袋や収穫間近の場合ビコー等に交換する




又、病原菌は7Km以上飛散するとされ「自分が収穫出来なくなるだけ」と言う問題では無く
病害虫の発生源となり他人に迷惑を掛ける為、自己責任で済む問題ではありません。

無農薬に拘るあまりウイルス病等の感染源を放置されては迷惑行為以外の何者でもありません。

農薬の使用・未使用にかかわらず病害虫に対する適切な対処は自分が良い収穫をしたいという事だけでは無く
「遊びでやっている事でも他人に迷惑を掛けない」という一般人としての常識です。




佐藤錦の葉の大きさは幅7cm・長さ14cmが適正





着果数の目安

適正な着果数の目安は葉の枚数と果実数の比である
葉果比で表されます。

各果樹毎に適正な葉果比の研究資料が有るので
それを参照し着果数を決定します。

鉢植えでは樹勢管理が不良の場合に
地植えと比べ葉が小さくなり易いので
葉の大きさを適正に保つ様に管理します。

適正な樹勢で栽培された場合の
葉の大きさや色の調査資料が有るので
栽培している果樹が
適正な状態に有るか否かの判断材料とします。

最終的には美味しさと収穫量のバランスの把握が必要で
その木の状態から結実数を決定しますが
どれだけ生らせば美味しい果実を連年収穫可能かは
管理能力にも大きく左右されるため
経験しながら探し出すしかありません。





鉢の大きさ

当園では収獲株は殆どを8〜10号鉢で育てています。
果実の大きさ・結果習性・収獲したい果実量により
樹姿の大きさを決めています。

鉢果樹は7〜8号鉢サイズでも収獲は可能ですが
リンゴや梨・桃等の大果の果樹は
結実に耐える樹冠(幹の体積や葉の枚数)が必要なため
それなりの大鉢が必要となります。

基本的には少しの収穫量で良ければ小さな鉢で
それなりに収獲したければそれなりの鉢で
という事となります。

鉢栽培での適正な鉢サイズの選定に関する
研究資料の有る樹種はレポートを参照します。


授粉樹

自家結実する品種は問題ありませんが
自家不和合性品種は
S遺伝子型の異なる他の品種が必要です。

S遺伝子型の分からない品種は
多くの品種を栽培出来ない場合の導入は慎重に行います。

S遺伝子型は多くの主要品種に於いては
ナーセリー(リンク参照)や研究資料で確認出来ます。

自家結実性に付いては
素人の雑談では事実と異なる話も多いので
研究資料で検証する必要が有ります。




栽培2年目で結実した10号鉢の佐藤錦




短果枝を出し易くするため主枝を誘引した10号鉢のリンゴ
横へ張り出した枝も一時的にガマン


冬季剪定するとしても先端1〜2cm





小さく育てたい場合

木を大きくしたくない場合に最優先する事は
短果枝や花芽が付くまで切り戻しは控え
誘引や施肥管理等で花芽作りに専念する事です。

当然、一時的に木は予定より大きくなり剪定したくなりますが
結実出来る状態にしてから切り戻して小さく纏めます。

ここでガマン出来ずに好みの大きさに剪定してしまうと
樹勢が強くなり、枝ばかり伸びる木となり
又、剪定したくなるという悪循環となります。
切り過ぎるとヒョロヒョロな貧弱苗になります

結実した果樹は樹勢が落ち着き
切り戻ししても新梢の伸びを自然に抑える事が出来
小さく纏めておき易い状態になります。

更に花芽も付き易くなり
所謂「生り癖」が付いた状態となります。


結論として、一時的に横に枝が張り出した状態にはなりますが
育生中の果樹の剪定は間引き以外は行わない事が結果的に小さく育てたい場合の近道となります。

目指す収穫量は様々ですがコンパクトに仕立てる事に執着するあまり切り詰め剪定を繰り返し
何時まで経っても果実が生らなくては植木を栽培しているのと同じになってしまいます。

又、剪定だけに頼って小さな樹形を保っても果樹の矮化栽培にはなりません。
果樹の矮化栽培に一番効果的なのは結実させる事です。

結実させる為に誘引などで木にストレスを与えなければ花芽の付き難い果樹がありますが
水分ストレス(乾燥)や過度な剪定・肥料を控え過ぎる等でストレスを与える方法は間違いです。


*鉢植えで育てる事で結果的に小さく育てる事が可能となりますが
初めから小さく育てる事を目的に栽培を行う事は高難易度となります。




大きくなり過ぎたので発生した新梢に更新し小さく仕立て直したBBスパータン(自根7年生)
スパータンは自根栽培が難しいとされるが所詮ブルーベリーなので栽培難易度は低い


ブルーベリーは不安無く台切り出来るので樹形管理も容易




どんなに樹勢を押さえ込んだ果樹でも葉色の悪い(薄い・変色)・萎れさせてしまう様な状態では良い結実は望めません。
あくまでも適正な樹勢を保ちつつ常に健康な状態を維持する事が基本です。


冬季に理想的な大きさまで切り戻しをしたとしても
生長期間中は最低でも新梢が50〜60cmは伸びる事を考慮しておきます。

又、生長期間中に切り戻しをすると枝が暴れるので「伸びた新梢が邪魔」
程度の理由で切り戻し剪定を行うと火に油を注ぐ結果となります。

*生長させなければならない期間に枝を伸ばしたくなければ管理不良となる事を了解して行う。


10号鉢・7果結実中の洋梨ル・レクチェ



栽培品種選定のコツ

初心者ほど変わった果樹や品種を育てたがる傾向が有るようですが
「美味しい」「育てやすい」「栽培情報(研究資料)が多い」「豊産性である」
と言う前提で栽培品種を選定すると成功し易くなります。

果樹のカタログや販売業者のHP等には購買意欲をくすぐる画像やうたい文句がおどっています。
現実とは程遠い果実評価の羅列には開いた口が塞がらず売りたい一心の過大広告には辟易します。

入手し難いというだけで駄品種のブルーベリーに高値が付いたり
又、他で育てられていないような変わった品種に興味引かれる事もあります。

しかし、実際に栽培を開始してみると
変わった品種や民間育種された品種は余程果実品質の優秀な品種でない限り
全く研究対象とならず栽培情報が皆無と言っても過言では無かったり
栽培難易度が高く収穫までに多くの労力を必要としたり
販売業者のうたい文句の様な高品質の果実とは程遠く、収穫してみたら不味さにガッカリという事もあります。

*特定の業者だけが推奨している品種は実体を伴わない場合が多い。

逆に考えれば果実品質が優秀でないと研究対象にならないと言えます。
安定生産・果実品質向上の研究資料の無い品種は大した品種では無いと言っても良いでしょう。
民間育種の品種でも主要品種と成り得る優秀なものは研究対象となります。

ありきたりの品種は「ありきたりとなるだけ世に広まる実力を持った果樹」です。

公的に開発された品種は登録されるまで様々な栽培試験が行われ
品種登録まで20年以上試験・検討されるケースも有りますが
日本の品種登録制度はその品種が「良い/悪い」とは無関係に他の品種との違いが認められれば登録できてしまう為
個人や生産業者育種の新品種は品種登録されているものでも実績を伴わない場合が多く
品種登録後2〜3年で登録延長手続きが取り下げられる品種も多く
登録品種=優秀な品種とはなっていないのが現状です。

果樹栽培は栽培情報が揃っていても難しいものです。
栽培方法や剪定方法・受粉の相性の良し悪しも分からない品種は入門には適しません。

果樹研究所や園芸試験場・果樹試験場等の公的機関で開発された品種は
特定の開発の目的を持って交配をされて以降
特性や資質など多岐に渡り研究され登録に値するかどうかの数回の検定をクリアーして
始めて登録品種として申請されたものです。

登録前から情報も多く栽培のコツや受粉の相性等の栽培情報に事欠きません。
先ずは情報に事欠かない果樹で栽培のコツを掴む事が上達への近道です。

苗木は自社で苗木を生産し販売している一流ナーセリーから購入したものが安心です。(リンク参照)

又、HCや園芸店・取次ぎ販売だけのショップでの品種違いは珍しいものでは無く
その様な店での購入は品種が正確でない可能性が有る果樹を購入するリスクが有ります。

販売店での管理が悪く病気だらけの苗を密集して詰め込んである場合も多く見られます。
新苗なのに勢いが無い・葉に斑点が有る・ヤニを噴いている苗等は購入しないようにします。

ポットに収める為に根を切られた苗は根の病気に罹りやすく生長も劣ります。
一流ナーセリーの素掘り苗は、その様な安物の苗とは果樹としてのポテンシャルが違い
その後の生長や収穫出来る果実のグレードも大きく異なります。

ウィルスフリーやウイルス検定の苗を入手出来るのも魅力です。



栽培情報

果樹の特性を知れば知るほど趣味栽培のHPやブログ程度のものでは
管理方法を説明出来ない事が分かってきます。

鉢植えで営農による出荷の行われている果樹はその為の研究が多数行われ既に実用化された結果によります。

鉢植え栽培で収穫した果実を出荷する事で利益を得られるレベルの果実収穫をする為の研究なので
その様なレポートの信頼度は高く趣味栽培にも非常に役にたちます。

果樹試験場等の研究機関が行っている研究結果に基づき
農家は栽培管理や防除の指導を受けて農作物を生産しているので
農家や趣味栽培者など末端の話を聞くよりも情報の出所の資料を直接活用してしまう方が
素人の私見が入らないだけ正しい情報を得る事が出来ます。

公的な国産品種以外の果樹の研究は殆どされません。
海外産の品種に付いては産出国が行うのが当然であり
日本で主要品種となり得る為に研究対象となるもの以外の果樹の情報は皆無と考えて間違い有りません。

当HPは研究・調査レポートの表面的な極一部分の情報で構成していますが
資料はネットでも入手可能なので本当に重要な部分(作業適期に関する部分や具体的作業方法など)は
栽培地や栽培環境により異なる為に載せても無意味なので敢えて載せていません。

「何時・何を行うか?」の栽培カレンダー程度のものは栽培情報では有りません。
「何時が適期か」「何が最良か」を判断出来る「何故行うか?」の理由となるものが栽培情報です。

自分で行っている事の理由が理解出来ていないと
自園での作業適期の判断も出来ず、教科書どおりにならない場合に全く対応不能となります。

特に難易度の高い樹種では「育て方等と言う安直な情報は無い」と考えないと成功しません。

以上の理由から当HPの内容程度で果樹が上手に栽培出来るようになるとは思えません。
栽培情報と呼べるものは当HPには殆ど有りませんので重要な情報は研究レポートや実用化技術を参照し
自分の栽培地用に生長サイクルの時間差等を考慮して利用すると失敗しません。


因みに当園では特性を云々する上では農家はプロとは思っていません。


S遺伝子型の調査は勿論、品種間の結実率の調査すら出来ないのが現状であり
最適な管理に必要な果樹としての特性を云々する上では趣味栽培者同様に素人です。

産地の講習会では果樹試験場の研究員が講師として招かれる場合が多いようですが
それならば研究員の発表した研究論文を活用してしまう事が一番確かな情報源となります。

*果樹農家の殆どは試験場や免疫研究所からの情報に従い
病害虫の発生予測や栽培指導により防除や管理方法の指導の下で果樹を栽培していますが
趣味栽培では指導を受けられないので自分で情報を参照して活用するしかありません。



果樹栽培に付いては趣味のHPやブログ程度の素人発信の内容は何の役にもたちません。
又、○○相談掲示板や○○知恵袋等の
素人の質問に素人が答える間違いだらけの単なる雑談を参考にするのは
問題外の外です。

他人の質問に回答できるだけの知識を持った回答者など唯の一人も見た事が無く
間違った情報発信の根源で有り、違法行為の推奨なども横行し百害有って一利無しです。

*当園ではその様な存在意義の無いサイトとは関係を持ちたくない為、
その様なサイトからの参考先としてのリンクを固くお断りしています。






果樹を栽培する上での情報源として最重要

農水省のHPやそこからのリンクには
主要な果樹の土壌・整枝剪定・施肥・病害虫・農薬・生理障害 etcの全ての情報が揃っています。
農水省のHPで得られる情報だけでも栽培管理に困る事はありません。

注)経済的に影響の無い(少ない)果樹や素人の趣味栽培相手に研究や実用化技術の開発の予算執行は行われません。
よって、暖地桜桃や特産品とならないマイナー果樹の信頼出来る特性や栽培管理の情報は皆無です。






鉢植え果樹栽培のツボ

樹種により難易度は大きく変わります。
鉢栽培のほうが収穫する為の管理は簡単とは言っても本当に簡単なのはベリー類程度しか有りません。
他の一般果樹は相応の知識と管理が必要となります。

どうしたら果樹栽培が上手くいくかを説明するのは簡単です。

生り易い樹形を作り・適正な樹勢を維持しつつ・常に健康な状態を保ち・必要な作業を適期に行う
端的には以上の4点しか有りません。


健康な状態を維持出来たかどうかの簡単な目安は
葉を綺麗な状態で自然落葉させる事が出来たかどうかです。



関東内陸部においては最低限10月中の落葉はさせない事を目標にします。
11月の後半まで葉を残せれば良好です。

病害虫の被害で早期落葉させてしまったり管理不良で汚くなったからと毟り取ってしまったりするのは厳禁です。
ボロボロの状態の葉や自然落葉前に毟り取りたくなる様な状態にしては
果樹の機能が低下して翌年の結実や生長に影響します。


生り易い樹形
適正な樹勢
必要な作業とその適期
上記3点は樹種・品種により異なります。


端的に言ってしまえば非常に単純な4つのポイントですが
樹種によってはそれを行うために多くの知識とそれなりの手間が必要となります。




鉢植え果樹の倍土
鉢植え果樹の剪定 果樹の病害虫
鉢植え果樹の誘引 果樹の農薬
鉢植え果樹の肥料 果樹の生理
鉢植え果樹の植え替え






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